幸せな窒息だったと思う


このままわけわかんなくなるまで

逆上せあがるままに薄れていけたら

どれだけ幸福だっただろう


プラスティックみたいな手触りの実感も窒息

楽しめる余地のあるロックだって窒息

壊死するほどに笑えて

楽しかった



でも

泣けなかった夜、泣きたかった残り火が

何もかもを奪い返しにきた


手を解かれるままに、灰の味の空気で蘇生した

生きてしまった

呼吸要求、生存請求みたいな毎日が

また始まってしまった




理由の砂塵のなかに

真っ直ぐ引けない線の振れ幅を詠いながら



ヌメりまで照らされ、希望も裁かれる街へ